僕は独りでいることが好きなのですが、それをみじめだとか、悲しいとか、独りぼっちの人がすることだと感じている人も少なくないようです。
でも、そんな考えはナンセンスです。
独りで物事を行うことで、自立性が養われ、率直な内省の時間ができ、多少は自分を好きにならざるを得ない。
あるいは少なくとも、なぜ好きになれないのかがわかるようになるのです。
目次
つまらない理由で素晴らしい体験を逃すことがなくなる
独りで行動するときに他人の目を気にすればするほど、あなたは損をします。
付き合ってくれる人が見つからなかったばかりに、やりたいことができないことがこれまで何回あったでしょうか?
「独りで映画を見に行くわけにいかない」、「それじゃあつまらない」と自分に言っていませんか?
ところが人は、自分が単独行動を実際にどれだけ楽しめるのかを正確に想像できないため、躊躇してしまうことが研究でわかっています。
研究では、人々が独りでの観劇、美術鑑賞、映画鑑賞、外食などを自分がいかに楽しめるかを常に過小評価していることがわかったのです。
自分がやりたい楽しい活動を、独りでは楽しめないと自動的に否定するようになったら、本当に問題です。
楽しいことが限られてしまうだけでなく、先送りにしてしまうことがあります。
時間は限りある資源ですから、独りでするのが嫌だからという理由で今日やらなかったことを後でできると思ってはいけません。
独りであれ誰かと一緒であれ、できなくなってしまうことが少なくないのです。
独りで食事をしたり、独りで映画を見たりしたときに他人からどう見られているか気になる人はこの言葉を信じてください。
「誰も自分のことなど気にしていない」
人はあなたが思うほどあなたのことを気にかけていません。
独りで泣きながら食事をしているとか、映画館でいかに自分が寂しいか叫ばない限り、誰もあなたに注目することはありません。
それに「独り」の時間を持とうとしたのはあなた自身の選択です。
人にそうされたことではありません。
自分の好きでやっていることに対してみじめに感じることなどないのです。
単独行動は、自由とコントロールと振り返りの時間を与えてくれる
独りの時間は、人との関係における民主的意思決定に気を遣うことなく、自分の都合だけ気にすれば良いのです。
自分が食べたいときに食事を頼み、自分の都合の良いときに映画を見てと、何でも好きなようにできます。
また、人をもてなす必要もありません。
見た目を気にする必要もなければ、良い人である必要もないし、人が楽しんでいるかを気にかける必要もありません。
そして、自分のことだけを気にかければ良いということは、精神的エネルギーを節約でき、次に人と一緒に過ごす時に存分に使えます。
何より、独りで行動する時は、いろいろ考えたり振り返ったりする時間があります。
誰でも、自分で思うより多くの考えを抱いているもので、独りの時間があると、それらと向かい合うことができます。
内省には瞑想のような効果があり、心を自由にさまよわせると、心に重くのしかかっていたストレスが軽くなるのです。
また、独りの時間は、本当の自分になれる時間でもあります。
本当の自分がどんな人間なのかまだわかっていない人は、この時間を使ってそれを探せば良いでしょう。
自立性は究極のスキル
自立することほど、力のつくことはありません。
人に頼らない人ほど、最終的に多くのことが達成できるでしょう。
独りで行動すれば、否が応でもすべて自分で対処することを覚えなくてはなりません。
社会的にも、人生の他の面においても、自立性を高めることができます。
友達や同僚に頼れないような環境を作れば、あなたは対処法を自分で考え、いちいちストレスを感じずに自分で処理できるようになります。
そして、本当に助けが必要になった時、無理をせず人を頼れば良いのです。
さらに、独りで何でもできると、自分のやることに責任を持つようになります。
単独行動が苦でなくなれば、海外旅行や習い事、ずっとやりたいと思っていたことなどが、付き合ってくれる人がいないせいでできないということがなくなります。
もちろん、自由というのは両刃の剣です。
自分が主導権を握るということは、人のせいにすることもできなければ、人を頼ることもできません。
でもそれが、自分で前に進む原動力となり得るのです。
独りでいろいろなことをするのがみじめだとか変だと思う人は、よく考えてみてください。
自分自身と充実した時間を過ごすことがなぜ問題なのでしょうか?